「上司の哲学」江口克彦(PHP研究所)

[新装版]上司の哲学

[新装版]上司の哲学

松下幸之助の右腕「江口克彦」の部下に信頼される20の要諦

第一則 夢を与える
・夢のないところに誇りは決して生まれない。誇りがあるからこそ、高い理想へ到達する為に自制心が働く。
・夢とは実現する事だけが目的ではない。夢に向かって突き進む事こそが尊い
第二則 考え方を示す
・何の為にこの会社はあるのか。どんな理想をもってこの事業をしているのか。この考え方を日々伝える事が上司の役割。
・方針とは、「考え方」+「具体的目標」+「夢」
 この方針を明確にする事で、部下は方向を見つけ、仕事の物差しができる。
第三則 ほめる
・その人物の本質や能力を心の底から評価していれば、叱る事さえほめる事。口先でほめてはならない。
・人間とは何かが判らなければいけない。人間の本質を信じ、認める事は人間関係の根本。
第四則 熱意を評価する
・成功のプロセスとは、願望→目標→決意→実行→継続→夢の実現。このプロセスに絶対必要なのが熱意。
・成果だけを評価してはいけない。成果を出すまでの熱意をほめる。
・上司は部下の何倍も熱意を持っていなければ、熱意を評価できない。
第五則 能力を引き出す
・上司は仕事を与える事によって部下の能力を引き出さなければならない。
・そのために、部下の能力より高い指示や要求を出し、チャレンジ精神を引き出す。失敗して限界を知る事も重要。
第六則 耳を傾ける
・耳を傾ける事で、部下は「やる気を出す」「勉強する」。上司は「部下から尊敬される」「情報が集まってくる」。
・積極的に部下に意見を聞き、真剣に耳を傾ける。
第七則 仕事を任せる
・この部下なら必ずやってくれると信じ、託していく。この期待と信頼で部下は努力し、力をつける。
・「長」のつく人間の責任は、「グループの仕事をやり遂げる責任」「部下を育てる責任」「新しい仕事を創造する責任」
・仕事を任せ、余裕ができた時間で新しい仕事を創造していかなければならない。
・ほどほどの「能力」、十分な「熱意」、そして「考え方」も大丈夫。この三拍子ある部下に仕事を任せていく。
第八則 差別をしない
・部下を評価するとき、その辞典の能力だけで単純に永遠の評価をしてはならない。
・部下の本質的な能力を見つめていく。肩書きなどにも惑わされない。
第九則 自分より優秀な人材を育てる
・人の才能を見抜き、使う事のできない人は指導者に不向き。
・自分より優秀な部下を育てようとすれば、上司ももっと上のステージに行ける。
・経営者の条件はただひとつ。「自分より優れた人を使う事ができる事」これだけで十分。
第十則 叱った後のフォローをする
・冷静に考えて叱り、感情いっぱいにほめる。
・もっと輝かせてやろうという気持ちで一所懸命に叱る。その気持ちが自然とフォローに現れる。
第十一則 雑談を大事にする
・日々の雑談の中で自分の考え、哲学を教えていく。
・怖がらせては行けない。「導かずに導く」
第十二則 率先垂範する
・まずは上司が手本を見せる。部下は上司のマネをする。身を以て範を示す。
・先憂後楽。上司は部下より先に気を回し心配する。先々を考える。そして、後で楽しむ。
第十三則 秘密を作らない
・情報を抱え込むとスピードが遅くなる。部下も情報を渡さなくなる。
・一つの情報に対し、考えなどのコメントを入れる。
第十四則 声をかける
・他部署の人間も含め、積極的に話しかける。名前を呼んで話かける。・
第十五則 部下を見て話をする
・言葉の裏にある心情を読み取って指示を出す。
・真剣に聞けば、でたらめな話はできない。
第十六則 「なぜ」を説明する
・なぜこの仕事を進めるのか、なぜこの仕事を任せるのか、を伝える。理屈だけでなく感性で訴えて動かす。
第十七則 訴える
・自分の考え、哲学を繰り返し訴え続ける。
第十八則 部下に感謝の念を持つ
第十九則 女性の部下を意識しない

・男性を同じように仕事をする部下としてみる。その後で女性としてみる。(出産など)
第二十則 運をつかむ
・楽観的、積極的、肯定的に物事をとらえる。
・運の強い人間に仕事も部下も集まる。